イギリス

イギリスの2008年映画製作状況

2008年国内製作作品の製作費

2008年における国内の製作活動にかかった金額は前年比23%減の5億7800万ポンド(2007年は7億5300万ポンド)となった。減少の主な要因は、為替相場がほぼ年間を通してポンド高にあったことと、米国での脚本家スト・俳優スト争議が起きたことから対内投資映画が減少したことにある。

2008年の対内投資映画は25本、製作費は3億3820万ポンドに上る。対内投資映画として計上された大型予算作品には『Prince of Persia: The Sands of Time』、『007慰めの報酬』、『The Wolfman』、『NINE-ナイン-』、『The Fantastic Mr. Fox』などがある。長編映画製作本数は66本であり、2007年の68本に比して微減している。その製作費は1億9200万ポンドで、2007年比 22%増であった。長編映画製作本数に計上された大型予算作品には『The Boat that Rocked』、『Green Zone』、『Dorian Gray』、『London Dreams』、『Creation』、『Me and Orson Welles』などがある。

共同製作映画は、前年の28本から20本に、製作費は前年の7200万ポンドから4800万ポンドに減少した。この減少傾向は2004年以来続いており、共同製作の規程が厳しくなっていることや、新税制により優遇措置の対象が作品の総予算額ではなく国内の製作費となったことの影響を受けている。 2008年に共同製作作品には『Solomon Kane』、『Cheri』、『Bright Star』、『Nine Miles Down』、『Looking for Eric』、『The Boys are Back in Town』などがある。

  製作された作品(本)
2007年
製作費(百万ポンド)
2007年
製作された作品(本)
2008年
製作費(百万ポンド)
2008年
対内投資 30 523.0 25 338.2
国内製作 68 158.2 66 192.2
共同製作 28 72.2 20 47.8
合計 126 753.3 111 578.2

出典:UK Film Council Statistical Yearbook 2009 (forthcoming July 2009)

注:

  • 上記は、2008年統計年鑑の発刊以降に提供された新情報に基づいた修正値を反映。
  • 対内投資映画の数値には、国内でVFX作業のみ行った2007年の3本(590万ポンド)と2008年の9本(1770万ポンド)を含む。
  • 対内投資長編映画は、米国以外の作品が2007年には3本、2008年には2本含まれている。

定義:

  • 対内投資長編映画とは、製作費調達および製作管理の大半が国外で行われており、なおかつ、脚本上の必要性やインフラ面、英国の税制優遇措置などから製作現場を英国とした長編作品を指す。
  • 対内投資共同製作映画とは、共同製作条約の非署名国(大抵は米国)が製作国となっている公式の共同製作作品で、脚本上の必要性やインフラ面、英国の税制優遇措置などから共同製作相手として英国が選ばれた長編作品を指す(2007年および2008年は該当作品なし)。
  • 国内製作(国産)長編映画とは、英国の製作会社が製作した長編映画で、作品の全編または一部を国内で撮影したものを指す。
  • 共同製作映画とは、英国と国外の製作パートナー国が、二国間共同製作契約や「欧州共同製作条約(European Convention on Cinematographic Co-production)」の規定に従い共同製作した作品を指す(対内投資共同製作映画は除く)。

測定方法:

  • 上記の表の数値は、作品の全編または一部を英国で撮影またはポストプロダクションを行った作品に関連する国内製作費のみ。
  • 製作費は、メインの撮影を開始した年に計上。VFC作品の場合のみ、VFX作業を手がけた年に計上。

除外:

  • 予算が50万ポンド未満の作品製作費は計上対象外。

1992年から2008年の対内投資、国内製作、共同製作の長編映画

2008年の数値を長期的な観点から比較したものである。1997年から2004年の間に見られる国内製作長編映画の減少は、共同製作の大幅な増大と連動していることから、この時期は国内で単独製作するよりも公式な共同製作を行った方が楽だったことが伺える。この傾向は2005年8月に逆転し、証明を求められる共同製作要件の厳格化と、その後の新税制により優遇措置の対象が作品の総予算額ではなく英国内での支出額となったことが数値に表れている。小規模の共同製作は大幅に減少している。2008年における対内投資長編映画の本数は2007年よりも少ないが、1999年から2008年の10年間の平均数とほぼ同じである。1990年代中盤に税制優遇が導入されたほか、国立宝くじからの資金援助も行われるようになり、以降の総作品数は高い水準で推移している。

1992年~2008年の対内投資、国内製作、共同製作の長編映画および総映画本数

出典:UK Film Council Statistical Yearbook 2009 (forthcoming July 2009)

注:

  • 対内投資長編映画には、2002年以降の対内投資共同製作映画を含む。
  • 共同製作映画については2002年以前に撮影された作品の統計データがない。
  • 2003年~2007年の数値は、2008年統計年鑑の発刊以降に修正されたもの。
  • 2005年の対内投資長編映画は、米国以外(主にインド)による対内投資作品が急増した分を含むため数値が突出している。
  対内投資
(本)
国内政策
(本)
共同製作合計
(本)
うち、主・同等出資型 うち、副出資型 合計
(本)
1992 8 22 - - - 30
1993 15 25 - - - 40
1994 13 33 - - - 46
1995 14 34 - - - 48
1996 25 73 - - - 98
1997 20 84 - - - 104
1998 16 67 - - - 83
1999 22 70 - - - 92
2000 28 52 - - - 80
2001 23 51 - - - 74
2002 16 37 66 - - 119
2003 28 43 93 20 73 164
2004 20 28 85 18 67 133
2005 48 50 65 12 53 163
2006 28 56 51 18 33 135
2007 30 68 28 16 12 126
2008 25 66 20 9 11 111

出典:UK Film Council Statistical Yearbook 2009 (forthcoming July 2009)

注:

  • 対内投資長編映画には、2002年以降の対内投資共同製作映画を含む。
  • 共同製作映画については2002年以前に撮影された作品の統計データがない。
  • 2003年~2007年の数値は、2008年統計年鑑の発刊以降に修正されたもの。
  • 主出資者型の共同製作映画とは、国単位の投資額で見たときに英国が最大投資を行った(ただし、圧倒的多額とは限らない)共同製作映画を指す。
  • 同等出資者型の共同製作映画とは、英国とその他一カ国以上の国が同額ずつの最大投資を行った共同製作映画を指す。
  • 副出資者型の共同製作映画とは、一カ国以上の国が英国よりも多額の投資を行った共同製作映画を指す。

2008年の国内製作費は2007年比23.3%減となったが、統計比較期間中では5番目に多い金額であった。2008年の製作費の58%が対内投資長編 映画の製作に占められており、英国の映画産業における対内投資映画の重要性が浮き彫りになった。1997年以降、製作費は主に対内投資長編映画に左右され て変動しており、2008年も例外ではない。為替相場がほぼ年間を通してポンド高にあったこと、そして、米国で脚本家と俳優のスト争議により製作が滞った ことから対内投資長編映画が35%減少した結果、全体的に減じている。

1992年~2008年対内投資、国内製作、共同製作の長編映画製作費および総額

出典:UK Film Council Statistical Yearbook 2009 (forthcoming July 2009)

注:

  • 対内投資長編映画には、2002年以降の対内投資共同製作映画を含む。
  • 共同製作映画については2002年以前に撮影された作品の統計データがない。
  • 2003年~2007年の数値は、2008年統計年鑑の発刊以降に修正されたもの。
  対内投資
(百万ポンド)
国内政策
(百万ポンド)
共同製作合計
(百万ポンド)
うち、主・同等出資型 うち、副出資型 合計
(百万ポンド)
1992 58.50 39.98 - - - 98.48
1993 127.74 30.34 - - - 158.08
1994 182.65 59.51 - - - 242.16
1995 216.45 94.00 - - - 310.45
1996 387.10 172.20 - - - 559.30
1997 261.90 202.89 - - - 464.79
1998 214.20 174.96 - - - 389.16
1999 336.37 170.31 - - - 506.68
2000 366.57 211.70 - - - 578.27
2001 198.50 180.12 - - - 378.62
2002 265.86 156.36 128.23 - - 550.45
2003 716.96 258.33 150.52 58.98 91.54 1125.81
2004 548.49 118.54 144.00 40.72 103.28 811.03
2005 306.45 177.70 97.27 34.63 62.64 581.42
2006 558.68 157.41 109.21 66.1 43.11 825.30
2007 522.95 158.20 72.19 51.96 20.23 753.34
2008 388.16 192.20 47.82 32.46 15.36 578.19

出典:UK Film Council Statistical Yearbook 2009 (forthcoming July 2009)

注:

  • 対内投資長編映画には、2002年以降の対内投資共同製作映画を含む。
  • 共同製作映画については2002年以前に撮影された作品の統計データがない。
  • 2003年~2007年の数値は、2008年統計年鑑の発刊以降に修正されたもの。
  • 主出資者型の共同製作映画とは、国単位の投資額で見たときに英国が最大投資を行った(ただし、圧倒的多額とは限らない)共同製作映画を指す。
  • 同等出資者型の共同製作映画とは、英国とその他一カ国以上の国が同額ずつの最大投資を行った共同製作映画を指す。
  • 副出資者型の共同製作映画とは、一カ国以上の国が英国よりも多額の投資を行った共同製作映画を指す。

提供:UK Film Council