シンガポール

シンガポール映画産業 2008年度レポート

2007年以降、シンガポールの映画製作活動は再び活況を呈している。2008年には、2007年の14作をさらに上回る、15作の国産映画が劇場公開された。

シンガポールフィルムコミッション(SFC)は国内の映画製作者コミュニティを広げるべく尽力している。2008年には若手映画製作者の支援を目的とした新劇場映画基金(The New Feature Film Fund)を設立した。この基金の特徴は、製作資金、宣伝資金、配給支援の3点を組み合わせて支援しているところにある。1作品につき25万シンガポールドルを上限とした資金援助に加え、国内の宣伝広告費として別途2万ドルを提供するほか、国内の劇場配給まで保証している。

メディアの世界的な資金調達拠点

SFCの活動は、シンガポールを世界的なメディアの資金調達拠点にしようと積極的な活動を展開するメディア開発庁(Media Development Authority MDA)から高く評価されている。2008年12月時点で、シンガポールのメディアに融資可能な資金は10億シンガポールドル以上であった。この資金はオーストラリアに本社を置くRGM、ハリウッドの製作会社Hyde Park Entertainment、香港のSalon Films Group、日本のエンターテイメント企業など10社により管理されている。

人材+資金調達=理想的な共同製作のパートナー

映画製作者と潤沢な資金を有するシンガポールは諸外国との共同製作に向いており、既にオーストラリア、カナダ、韓国、ニュージーランドと共同製作合意書を締結している。共同製作された近年の主な作品は以下の通り。

  • The Tattooist(ザ・タトゥーイスト):シンガポールのMediaCorp Raintree PicturesとニュージーランドのEyeworks Touchdownとの共同製作。2006年に締結されたシンガポール・ニュージーランド映画共同製作合意から得られた直接的な成果である。
  • The Missing Star(星なき夜に):イタリアの映画会社Cattleya&Rai Cinema、フランスのBabe、スイスのCarac Films、シンガポールのOak3 Films と MDAとの共同製作。第63回ヴェネチア国際映画祭のコンペティションで金獅子賞候補に。第31回トロント国際映画祭のマスター(巨匠)部門でも上映された。
  • The Home Song Stories(ホーム・ソング・ストーリーズ):シンガポールとオーストラリアの共同製作。2008年にオーストラリア映画協会、台北金馬映画祭、ハワイ国際映画祭で数々の賞を受賞した。

シンガポールは今後も共同製作に戦略的に取り組み、パートナーとの相乗効果が見込める部分を模索しながら人材、資金、配給ルート、市場露出の組み合わせを最大化したいと考えている。

提供:Singapore Film Commission