オーストラリア

オーストラリアの2008年映画産業状況

2008年、興行収入が9億4,540万豪ドルに達し、過去最高の年間総売上高(未調整)を記録した。この金額は前年比5.6%増であるだけでなく、唯一年間総売上が9億円を超えた2004年と比べても4.2%増となる。しかし、これだけの売上増にも関わらず、チケット販売ベースでの予想入場者数は 1.2%減の8,460万人に減少している。この10年間、入場者数は8,000万人から9,000万人の間で推移しており、数年前に10%減を記録したものの再び上昇傾向を示している。

2008年の国産長編映画収益(初回公開年度に関係なく、2008年に興行収入があった作品全てを含む)は3,550万豪ドルとなり、総興行収入の 3.8%を占める。これは、前年比4.0%減である。また、総興行収入に占める国産映画の割合も、この10年間の平均値である4.4%を下回った。この 10年間で国産映画の割合が10%に達したのは、『プリシラ』と『ミュリエルの結婚』がヒットした1994年のみである。2001年は『ムーラン・ルージュ』や『ランタナ』、『The Man Who Sued God』、『クロコダイル・ダンディーin L.A.』などの作品のおかげで国産長編映画収益としては最高の6,340万豪ドルを記録したものの、同年の総興行収入の7.8%に過ぎなかった(詳細は下記、表1「国内興行収入における国産映画のシェア 1999年~2008年」を参照)。

この25年間に国内で公開された映画の大半(63%)は米国作品である。しかし近年、この傾向に変化が起きており、2008年は、米国作品が全体に占める割合は52%にとどまった(301本中158本)。これは4年連続60%を下回っただけでなく、2年連続で下落を記録したことになる。こうした下落傾向にも関わらず、米国作品は、全公開作品の総興行収入の85%を占めている(8億8,710万豪ドル中7億5,100万豪ドル)。2003年以降はアジア作品の本数が大幅に増加しており、2008年には全公開作品の13%を占めるに至っている。これは、この25年間の平均割合を5ポイント上回る数値である。 2008年は33本の国産映画が製作され、2007年の26本を上回る。これは、全公開作品の11%に相当し、この25年間の平均割合である10%から大きく増加している(詳細は下記、表2「国内興行収入における各国のシェア 2008年」を参照)。

1980年から2008年の間に全国スクリーン数は829から1,980に増加し、139%の増加率を記録している。1980年代半ばに一度下落したが、 1999年までの3年間に年間150から175急増している。その後数年は徐々に増加し続けていたが、2007年に1987年以来初の下落に転じた。翌 2008年は再び増加し前年比2%増を記録し、過去最高のスクリーン数となった(詳細は下記、表3「国内ロードショーにおける各国の公開規模 2008年」を参照)。

共同製作の正式プログラムが発足した1986年以降、条約または非条約書類(覚書)を締結した国は10カ国に上る。これまでに共同製作を行った主なパートナー国はカナダ(契約案件数は41)および英国(同33)、フランス(同25)である。これらの契約によって調達された予算は総額10億5,180万豪ドルで、内4億4,300万豪ドルが長編映画予算である。

2009年1月13日現在完成または製作中の公式な共同製作作品は114本に上る。最新作には長編映画『At World's End』(ドイツ)や『The Boys Are Back』(英国)、ドキュメンタリー『Darwin's Brave New World』(カナダ)、TVドラマ『Dirtgirlworld』(カナダ)や『Erky Perky Series 3』(カナダ)、『Sally Bollywood』(フランス)が挙げられる。

表1「国内興行収入における国産映画のシェア 1999年~2008年」

総興行収入
(100万豪ドル)
内、国産映画分
(100万豪ドル)
国内映画のシェア
(%)
1999年 704.1 21.1 3.0%
2000年 689.5 54.2 7.9%
2001年 812.4 63.4 7.8%
2002年 844.8 41.8 4.9%
2003年 865.8 30.3 3.5%
2004年 907.2 11.9 1.3%
2005年 817.5 23.1 2.8%
2006年 866.6 40.0 4.6%
2007年 895.4 36.0 4.0%
2008年 945.4 35.5 3.8%
10年間の平均 834.9 35.7 4.4%

出典:オーストラリア映画配給協会のデータを基にスクリーン・オーストラリア公社が分析。各数値は2009年1月8日に発表された2008年12月31日までのデータ。

表2「国内興行収入における各国のシェア 2008年」

製作国 興行収入* 上映作品本数
総額
(100豪万ドル)
シェア
(%)
本数 作品1本当たりの
平均興行収入
(100万豪ドル)
米国 795.9 84.2% 213 3.7
英国 75.3 8.0% 29 2.6
オーストラリア 35.5 3.8% 40 0.9
フランス 16.6 1.8% 29 0.6
インド 4.3 0.5% 39 0.1
ドイツ 4.9 0.5% 5 1.0
カナダ 2.6 0.3% 10 0.3
その他(合算) 10.2 1.1% 27 0.4
全作品 945.4 100% 392 2.4

出典:オーストラリア映画配給協会のデータを基にスクリーン・オーストラリア公社が分析。各数値は2009年1月8日に発表された2008年12月31日までのデータ。

*2007年以前の作品89本(ほとんどは2007年の作品)の収益、および2009年公開予定の作品2本の試写会収益を含む。

表3「国内ロードショーにおける各国の公開規模 2008年」

製作国 上映スクリーン数*のシェア
<10 10-29 30-69 70-199 >200
% % % % %
オーストラリア 18 54.5% 4 12.1% 6 18.2% 4 12.1% 1 3.0%
米国 16 10.1% 11 7.0% 25 15.8% 52 32.9% 54 34.2%
英国 4 16.7% 5 20.8% 4 16.7% 7 29.2% 4 16.7%
その他 39 45.3% 34 39.5% 11 12.8% 1 1.2% 1 1.2%
全作品 77 25.6% 54 17.9% 46 15.3% 64 21.3% 60 19.9%

出典:オーストラリア映画配給協会のデータを基にスクリーン・オーストラリア公社が分析。各数値は2009年1月8日に発表された2008年12月31日までのデータ。

*最大公開規模の時点における上映スクリーン数。

表4「国内興行収入におけるTop 10作品 2008年」

順位 タイトル 制作国 興行収入
(100万豪ドル)
1 ダークナイト 米国 45.5
2 マンマ・ミーア! 英国・米国 31.7
3 インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 米国 29.3
4 007慰めの報酬 米国・英国 28.9
5 セックス・アンド・ザ・シティ 米国 27.0
6 オーストラリア オーストラリア 26.9
7 カンフー・パンダ 米国 25.8
8 アイ・アム・レジェンド 米国 23.2
9 ハンコック 英国 20.6
10 アイアンマン 米国 20.0

出典:オーストラリア映画配給協会のデータを基にスクリーン・オーストラリア公社が分析。各数値は2009年1月8日に発表された2008年12月31日までのデータ。

提供:Screen Australia